Vol.01 狩猟1年目 へっぽこルーキー 後半戦
狩猟期間が終わり、山から鉄砲持ちの姿が消えて1ヶ月 ・・・
奴ら が再び跋扈(ばっこ)し始めた!
どうしたものかと猟友会の地域元締めに相談すると、
「 くくりワナやったら捕まえて良いぞー!
ここら辺、アイツらの被害大きいから有害駆除発令されたぞー! 」
とのこと ( つまり鉄砲はダメで、くくりワナはOKってこと )
そーかー、後半戦のスタートかー!!!
再び闘志を燃やす俺っちであった!
改良版を仕掛けて数日後・・・
子供のように、心をワクワクさせながら様子を見に行くと
ワナが発動している!!!
でも、発動しているだけなので肝心のイノシシの姿はない。
現場には、奴らの足跡があるのみ。
どうやら奴らは、ワナの存在に気づかずに
落とし穴の輪っかに足を引っ掛けたのだろう。
輪っかの直径が12cm以下と小さいので、 ( 邪魔な法律やな~~、と常に思うのだが )
ワナが発動したものの奴らの足を絞めるには至らなかったようである。
しかし、今までにない手応え!
逃げられたものの少し楽しげな俺っちであった。 (o^ ^o)
それは突然の出来事だった!
遠くから梨園を見ると、何やら黒っぽいものが動いている
もしや! っと思い駆け足で近づくと
バサバサ と羽音を立てて 2羽ほどのカラスが飛び去った!
なんとも言えない不安が込み上げてきて異変がないか確認してみる。
すると、樹の下に梨の袋が散乱しているのが目に飛び込んできた!
落ちていた袋を確認してみる。
カラスのクチバシで突(つつ)かれた跡がある。
しかし、この時期の梨は小さくまだまだ食べられるような代物ではない!
つまり、奴らは袋を突いて遊んでいただけである! (怒)
初めてのことで怒りと戸惑いを胸中にかかえながら
取り敢えずカラス対策として、鏡を15枚ほど紐で吊るした。
紐に吊るされた鏡は太陽の光を四方八方に照射してカラスを怖がらせようという
昔から有る常套手段である。
成果を期待して梨園を後にする俺っちであった・・・
数日後、梨園を訪れると ・・・ やはり、奴らはいた!
こちらの存在に気付くと
バサバサバサ と羽音を立てて 4羽ほどのカラスが飛び去った!
微妙に数が増えている!!
どうやら仲間を連れてきたようである (怒)
鏡対策は、全く効果がなかったようで、
またもや、突(つつ)かれた袋が散乱している。
確実に被害が拡大している!!! (`⌒´) プンッ!
かなり焦った俺っちは、以下のような対策を早急にすることにした。
・ いたる場所に、針金を梨の棚(支柱)に吊るしカラスを怖がらせることにした
・ 梨の上空に、テグス糸を張り巡らしカラスに 「 羽が絡まるぞ! 」 っと警告した
頼む!
上手くいってくれ!! 胸中で必死にお願いする俺っちであった
翌日、梨園を訪れると ・・・・・・ やはり、奴らはいた!
こちらの存在に気付くと
バサバサバサバサ と羽音を立てて 5羽ほどのカラスが飛び去った!
またもや微妙に数が増えている!!
ヤバイ! マジでヤバイ! (((゚Д゚))) ガタガタ
カラス対策が、全く効いてない!!!
途方にくれた俺っちは、猟友会の地域元締めに相談することにした。
状況を説明した俺っちは、鉄砲で撃ってくれ っとお願いすると以外な言葉が返ってきた。
「 撃ってやりたいのはやまやまなんやけど、今撃てれへんわ!」
何ですとーーーー!?、理由を聞いてみると
猟銃で獲物を撃つには色々と条件があるらしく
今回の場合は、有害駆除が発令されていないので鉄砲で撃つのは無理のようである!
それでは困るのでどうしようか? っと相談すると ・・・
「 カラス吊るすか?!」 っと返答が返ってきた!
捕まえたカラスを紐でくくり、倉庫のノキなどに吊るしてカラス避けにするアレである
でも、カラスを捕まえることができないのにどうやって吊るすのかと
疑問に思っていると、とんでもない言葉が返ってきた!
「 冷凍室で凍ってるのあるから持っていくか?」
なっ・・・、何ですとーーーー、
カラスが冷凍室で凍ってるんですかーーー!?
( ̄□ ̄;)!! マジかよ~~~っ・・・ っと驚いていると
すぐに持ってきてくれた!
凍ったカラスを・・・ しかも 素手で手づかみ!!!
流石、熟練にして老獪のハンター!
発想も然ることながら、行動力もマジで、半端ねーーー!!!
改めて、ハンターとしての格の違いを思い知らされた俺っちであった!
それで、なぜカラスが凍ってるかというと、
冬に甘柿を狙ってやってくるカラス対策用に大切に取って置いたモノらしい
そんな貴重なカラスを貰い、急ぎ梨園へと戻った俺っち
早速、竹を伐りカラスを吊るすこととなった!
貰ったカラスは、スズメ目カラス科のハシブトカラス!
市街地や農耕地、海岸などで猛威をふるっい、
よくゴミ袋をあさって、近隣住民に迷惑をかける例の奴である。
特徴は、全身黒色で、名前のとおり太いクチバシ!
全長( クチバシ ~ 尾毛 )は、60cmぐらいあるかな?
翼をたたんだ状態の胴回りは、50cm以上
重さはわからんけど、結構デカイ!
へっぽこルーキーの俺っちは、気持ち悪いので軍手を装着しカラスを触る!
溶けかけのカラスは、弾力があるようで肉厚な感じがする!
何ともいえない肌触りが軍手をとおして伝わってくる!
マジでキモーーー! ( 思い出すと背筋がゾクゾクする )
おまけに、段々臭ってきた! 血なま臭ーー!
とっとと、足に針金を括りつけて竹の先に結びつける。
← が、竹に吊り下げられたカラス!
これを視認した奴らは、忌み嫌って梨園によって来なくなるはずである。
上手くいってくれ!! 再び、胸中で必死にお願いする俺っちであった
2、3日ほど奴らは、カカシのカラスを怖がったが ・・・
すぐに、慣れて 襲撃を再開してきた!
今度は、数十匹!!! もはや、襲撃とはいえず、まさに凶襲!
多分、奴らは ↓ こんな感じで攻めてきたんだと思う ・・・
マイク 「 なー、ボブ ありゃーどこのグループの奴だ? 」
ボブ 「 知らねーぜ! 見たこともないぞ! 」
マイク 「 だよなー。 人間にとっ捕まった まぬけ野郎 なんざ知ったこっちゃねーよな!
この数日、気味悪いので監視してたけど問題なさそーだ! 」
ボブ 「 ちがいねー!
俺達に危害が及ぶこともなさそーだし ・・・ そろそろ行くかー?! 」
マイク 「 よーーーし、行ってみっかーー!
喰い散らかすぞー! お前らーーー! 」
カラスS 「「「「「 おぅ~~~~~! 」」」」」
っという感じで、人間のいない梨畑は奴らの格好の 遊び場 兼 餌場 となった!
これにはマジで頭を抱えた /(-_-)\
網をさらに強化し、対応するも ・・・ 時すでに遅し!
最終的には、4、50匹ほど奴らがやって来て梨畑は ↓ このようになった
正直、お手上げ状態であきらめムードが漂った ・・・ _| ̄|○
結局、9割以上の梨が奴らに落とされた!
つまり、ほぼ全滅!!!
被害額は、 スモモ 10万
梨 60万
計 70万!!!
こんなエゲツない被害がでるのは初めてだ!!! (#゚Д゚)ムッカー
至る所に、梨袋が落ちている!
至る所で、クチバシで突かれ無残な姿の梨と袋が散乱している!
至る所から、収穫に至らなかった無念な梨の呻きが木霊(こだま)する!
ちくしょう~~~! ヽ(#`Д´)ノ
ここまで、一生懸命育てたのにーーー
梨狩りを楽しみにしてるお客さんに顔向けできれへんやろーーー
この恨み、この怒り、決して忘れるものかーーー!!!
あいつら、ぜってーブっ飛ばしてやる!
必ず一匹残らず駆逐してやるぞ~~~!
ほとんどの梨袋が落とされ散乱している ・・・
クチバシで突かれた梨!
3、4週間後には、もっと大きくなって
みんなに梨狩りを楽しんでもらうはずだったのに ・・・
くくりワナを使い奴らの捕獲を試みるも ・・・ 、一行(いっこう)に捕まえられる気配がしない!
そこで俺っちは決断する!
埒があかないなら、埒をあけろ!!!
っということで、前々から検討していた箱ワナの購入に踏み切った。

← 注文した箱ワナは、
奥行き250cm × 横100cm × 高さ100cm
重量約80Kg
っという巨大なオリ!
誰が見ても、一目見て分かり、そして感じる
何たる重圧感! 何たる強固さ!
堅牢にして如何なるモノも捕らえて逃がさないと言う
言葉を具現化したその畏怖すべき存在感!
だれもが一言言葉を発する
超ハンパねーーー! ヒィーェー(((゚Д゚)))
俺っちの中では、デッケー箱ワナやなー っと思っているが
この業界ではこのサイズで中型というから奥が深い!
さらに、入口が両側にある 両開き タイプにした!
このタイプだと向こうの景色が見渡せられるのでイノシシの警戒心が緩むんだとか ・・・
また状況によって、入口が1つの片開きに変更できるという優れモノ!
そして、 網目を10cm にした! ← これがポイント
網目が15cmだと、ウリ坊や生後6、7ヶ月ぐらいのウリ坊あがりが網目の隙間から
簡単に逃げていくのである。
捕まえたものは一匹も逃がせへんでーーーっということで網目を10cmにしたのだ
ちなみに、この箱ワナはイノシシ以外にも 鹿・熊 も捕獲可能である!
そうそう、オリの値段は? っというと 7万円!
かつらぎ町は、本当に獣害が多いので役場がオリ購入にあたり補助金を出してくれる!
なので自己負担は、17500円。
安い買い物をしたぜーーー!
← は、奴らを捕まえるのに重要な 仕掛け の部分である。
針金で作った茶色い仕掛けに
100均ショップのヘアピン
それに、ホームセンターで買った極細のピアノ線 ← 130円ぐらい
どうやって奴らを仕掛けるかというと ・・・
オリの中央部の下の方にピアノ線を張り
← のように土を小山のように盛りピアノ線を隠す。
そこに餌をタップリと撒いておくのだ。
イノシシは土中・土上の餌を食べるとき鼻で土を掘って
ミミズや昆虫などの餌を食べる習性がある!
成獣になると鼻で80キロの岩も転がすことができる獣力があるというからスゴイ
そこで餌につられたイノシシさんに、小山を鼻で掘ってもらい
ピアノ線を引っ張ってもらおうという計画である!
ピアノ線は、仕掛けの部分のヘアピンに結んであるので
ピアノ線を引っ張るとヘアピンが外れて仕掛けが発動!
両側のオリが下りて、見事イノシシさんは御用 っという寸法である♪
最後に、この仕掛けの方法に至るまで仕掛けが発動せず
散々イノシシに逃げられたということをさり気なく付け加えておこう ・・・
さらに付け加えるならば、この方法でも土中のピアノ線に
餌を食べようと掘っている最中に気づき逃げられることが
多々あるということも伝えておこう ・・・
ついでに、これも紹介しておこう。
↓ は、自作で箱ワナを作ろうとホームセンターで材料を調べて作った設計図である。
知り合いの古参の猟師に見せたら
「 アライグマでも捕まえるんか?! 」 っと笑いまじりにからかわれました
つまり、小さすぎてイノシシは捕まえられないということである
今から考えると、俺っちもまだまだ へっぽこやなー
っと改めて思ってしまうエピソードなのだ



いよいよ待ちに待った狩猟解禁日である!
たっぷりと用意しておいた餌を仕掛ける
1回分の餌は、以下の分量である
・ 米ぬか 30~40リットル分
・ ガバっと無造作に手掴みした塩
・ ポテトチップス ・ かっぱえびせん ・ ポップコーンなどのスナック菓子1~2袋
スナック菓子は当然粉々に潰して、
← これらを豪快にかき混ぜる!
そして、箱ワナの周りにばら撒いたのが ↓ だ!
イノシシがやって来る方向からおびき寄せるように餌をまき、
オリの中へ導くようにしておいた!
おーーー!
今度こそ奴らをとっ捕まえられる気がしてきた!
いままでの恨み返してやるぞー!
とっとと来いやお前らーーー!!! щ(゚д゚щ)カモンカモンカモーン
餌を仕掛けてからほぼ毎日オリの確認をする。
畑を歩いて行くと遠目で見てもオリが上がったままなので仕掛けが発動していないことが分かる!
でも、餌を食べたあとがはっきりと分かる。
奴らは、3日4日のスパンで畑に現れる!
初めは、オリから離れた場所の餌だけをむさぼり オリに近づこうともしない!
当然奴らは、警戒しているのだ!
奴らが餌を食べたのを確認したら、また米ぬかの餌をばらまく!
今度は前回よりオリに近い場所にまく!
また現れたら、さらにオリに近い場所にまく!
それを繰り返していくとオリの入口で餌をむさぼるようになった!
その頃には、1日2日で現れるようになっていた。
奴らは徐々に警戒心をなくしているのだ! ( ̄ー ̄)ニヤリッ
そんなこんなで餌付けするように餌を与え続け、↓ のようにオリの周りだけ餌をまくようになった
20X2年 11月上中旬 奴らが徐々に近づいてきた!
そしてとうとう、オリの中央部の仕掛けの小山をもさぼるようになった!
その頃には、ほぼ毎日出没するようになっていた。
奴ら完全に警戒心を無くし餌場だと勘違いしているようである Ψ( ̄∀ ̄)Ψケケケ
でも仕掛けが発動するには至らなかった!
もう少しである ・・・
いつものように畑を歩いてオリへと近づく ・・・
すると、いつも上がったままのオリが下りている! (?_?)ん?
もしや?! っと思い走ってオリへと近づくと Σ( ̄□ ̄)ハッ!?
オリが見事に下りており、何やら黒い物体があるでわありませんか!!!
まぎれもなくイノシシだ!
キタ━━(゚∀゚)━━!! イノシシ キタ━━(゚∀゚)━━!!
夢にまで見たイノシシだ!!!
\(^〇^)/きゃっほ~~~♪
オリに近づく俺っちに気がついたイノシシは、しゃがんでいた状態から俊敏に駆け出す!
ガシャーーーン!!!
当然、サクがあるので鼻先から豪快にぶつかり鉄製のオリが金切り音をたてる!
だが、イノシシはお構いなしに反対側のサクにまた豪快に突進する
ガシャーーーン!!!
またもや、鉄製のオリが金切り音をたてる!
オゥーーー! その様に思わず声が漏れる ・・・
野生の大きなイノシシがオリの中を駆けずり回っている!!!
黒褐色の獣毛で覆われた巨大な野生の塊が駆けている!
俊敏に躍動的に駆けている!
重量があるにもかかわらず、重さを感じさせないような軽(かろ)やかさで
巨大な体躯から漲る獣力、溢れる獣気をもって突進している!
時に歯でサクに噛み付き、その状態で躯(からだ)をねじり、
ヨダレをサクにべっとりつけて逃げようとする!
時に鼻先を上部のサクめがけて、噛み付くように飛びつくようにぶつけるように跳ね飛ぶ!
人間が失った膂力! 人間が不要とした牙! 人間が持ちえなかった蹄!
全てを駆使して逃げようとする!
だが逃げられない!
寝座(ねぐら)へ帰れない!
思うがままに山を駆けずり回れない!
その苛立ちからか獣躯から、狂わんばかりの怒気が辺りに満ちあふれる!
目の前ので繰り広げられる衝撃映像に、思わず一言もれる ・・・
超ハンパねーーー!!! ( ; ° °)ワァ~
よく見ると、鼻から血が出ている!
諦めず何度も何度も突進した様(さま)が容易に想像できる!
この様を言葉で語るならば、猪突猛進!
言葉通り。 いや言葉以上の光景である!
暴れつくし、ひとまず逃げるのを諦めたイノシシは、オリのスミの方にしゃがみこみこちらを見据える!
うォーーー! めっちゃ睨んでますよ!!! ( ̄□ ̄;)
ビビリながらも、とにかく写真をとらなければ!
近づくとまた突進しだした!
なかなかシャッターチャンスを与えてくれません。
んで、なんとか取れた写真が ↓ です。
20X2年 11月中旬 HUNT - 牝イノシシ! (捕獲レベル19)

惚れ惚れするほど見事なイノシシである!
記念すべき最初に1匹としては申し分ないイノシシだ!
早速、知り合いの鉄砲持ちに電話して撃ってもらうようお願いした。
あっさりOKしてもらえたので、急いで道具を取りに帰る。
何の道具かって?
この時のために前々から用意しておいた解体道具さ! ( ̄▽ ̄ ニッシッシッシ!
捕まえたからには当然食べる!
特に冬場のイノシシは、脂がのって美味しいからな ♪
しばらく待ってると鉄砲持ちのおっちゃんが来てくれた。
俺っちは、オリへと案内しながら自慢げに捕まえたイノシシについて説明した
「 重さ50キロぐらいの立派なイノシシ捕まえたぜ。 」 ( ´_ゝ`) ドヤッ!
ところが、鉄砲持ちはとんでもない返答をした!
「 ずいぶん可愛いヤツつかまえたなー 」
「 40数キロってとこやぞーー 」
「 こいつウリ坊上がりで1年目ってところやな! 」
えーーーー! マジかよーーー!! ( ̄□ ̄;)! ガーーーン
( へっぽこルーキーである俺っちは、野生のイノシシを見たことがまったくない! )
( だから記念すべき1匹はとてつもないものだと思っていた ・・・ )
なので、ショックを受けるとともに、改めてスゴイ世界なんにゃなーって思いました。
何はともあれ、鉄砲で撃ってもらうことにした。
鉄砲持ちは、慣れた手つきで銃ホルダーから猟銃を取り出し
オリの中でしゃがみこんでいるイノシシを見据えて 構えた ・・・
俺っちは、怖いので後ろの方で静かに見守り
バァーン!
注意) ここからグロイ描写がつづきます!
できる限り、臨場感あふれるように詳細に表現しますが
当然、血なま臭くなってしまいます。
でもこの行為は、、残酷な動物虐待ではなく
有史以来、人類が行ってきた自然の恵を頂くという
貴重で大切でありふれた日常の一部だと考えています。
現在の豊かな日本では目にすることがなくなりましたが
意味があり貴重な体験ができたと私は思っています。
なので、決して批判しないようここにお願い申し上げます。
ズキューン でも バキューン でもなく拍子抜けするぐらい小さい銃声音がした
すると、しゃがみこんでいたイノシシの頭が一瞬 ビク! っと小刻みに動いた ・・・
その途端、ボヮッー っと血があふれ出した!
目、鼻、口から流れるように血があふれ出す!
そして、ズドーン っと音を立てるように横倒しに倒れ込んだ。
手足の四肢は真っ直ぐに伸びて、顔から血を流しながら横倒しになっている!
急ぎイノシシの元へ駆け寄る俺っちは、言葉を失った! (・◇・;) ボーゼン・・・
倒れたイノシシは、 ビクン ビクン ビクン っと痙攣している!
躯(からだ)全体が跳ね上がるように ビクン ビクン っと凄まじく猛烈に痙攣している!
キモーーー! っと思いながら血を流している顔を見る!
血で濡れた獣毛が雨にぬれたようになっておりやや朱(あか)くなっている!
つい、目が合ってしまった! 何ともいえない表情をしたような目と目が合ってしまった!!
俺っちと見上げているようであり、天を仰いでいるような目と目が合ってしまった!!
俺っちは、何ともいえない気持ちになってしまった!
そうしていると、鉄砲持ちが 「 ソイツ死んでるからオリから引っ張って来てくれ 」 っと言ってきた!
すかさず俺っちは 「 コイツ ビク ビク 痙攣してるよ~ 」 っとどうしていいのか分からず言うと
「 ソイツもう死んでる! 足引っ張ってオリから出してくれ! 」 っと急かすように催促してくる。
つまり、頭を鉄砲で打ち抜いてあるから死んでるってことらしい
しょうがないので、オリを開けて恐る恐るイノシシに近寄る俺っち
ビクン ビクン っと魚のように痙攣しているイノシシの後足を掴む。
温かい! マジで温かい!!
コイツついさっきまで生きていたんだな・・・ っと思うぐらい温かい!
そして、俺っちの手に伝わるイノシシの筋肉の痙攣!
手が振りほどけそうになるぐらいの凄まじい痙攣による振動に思わず怯んでしまう。
だが、必死に手に力を込めて後足を掴み、一気にオリの外まで引っ張りだす。
死んでるけど躯はまだ生きてるイノシシを見遣り
こんなもんよく触って引きずったなー って思っていると
鉄砲持ちが 「 ここの坂まで引っ張って来てくれー。 血抜きするぞー! 」 っと言うので
ビクビク震えてる生温かい後足を掴み、懸命に坂を引きずっていった!
後ろを振り返ると 40数キロの肉の塊を引きずってきた跡がクッキリしている! 当然、血の跡も・・・
そして、鉄砲持ちはおもむろに愛用の血抜き包丁を取り出した!
包丁と斧(オノ)を足して2を掛けたような代物である!
先がほっそりしているが斧の厚みがあり、かなりの重圧感がある!
シロート目で分かる、使い込まれたかなりの業物(わざもの)!
鉄砲持ちは、おもむろにイノシシの前脚を掴むと腹を上向けにし首の下に ブスっと包丁を刺した!
人間に例えると、首の下の鎖骨のど真ん中!
その場所から 10cm ~ 20cm ぐらいの所に心臓があるらしい
そして、柄(つか)まで深く突き刺し ・・・ グリグリ っと手首を回転させた!
確実に心臓を潰し、血抜きするためである!
その途端、切り口から血が ゴボゴボ 溢れ出した!
気の弱い者なら、貧血を起こしてしまうぐらい衝撃映像である! ( ゚Д゚)ヒョエー